定盤.com

What's New

最新情報

鋳物業界を取り巻く環境下での価格変動について

こんにちは、友鉄マシン中井です。

本日は、鋳物業界を取り巻く環境下での価格変動について記事にします。

モノの価格がどんどん上がっているニュースをよく耳にします。

鋳物業界もその影響を直に受けております。

色々な要因で価格が上がっておりますが、鋳物製品で言えば、大きく原材料価格の高騰・エネルギー価格の高騰・設備維持管理費の高騰の3つが挙げられます。

原材料価格の高騰については、環境問題を改善する世界的な取り組みであるゼロカーボン政策の影響で、鉄を製造するプロセスが変化しており、それに伴い鉄の価格が上がっております。アフターコロナでの世界的需要拡大とゼロカーボンによる製造制限でじわりじわりと価格が上がっております。環境問題に起因するのでこの値上がりが一時的なものではなく、今後のベースになるであろう継続的なものだと言えます。

国内大手鉄鋼メーカーも、ベースアップを意識的に行い今後は従来価格に戻ることはないであろうと伝えております。

次に、エネルギー価格の高騰が挙げられます。鋳造業界では大量の電力を消費します。

電気代が上がっているのは一般家庭も同様ですが、鋳造業界においてはその値上がりが直撃となっております。グループの友鉄工業では1ヵ月の電気代が約1000万円となります。

3割価格が上がれば単純に月に300万円の追加費用負担が発生してしまいます。

電気代が上がっている要因はウクライナロシア戦争による世界的なエネルギー問題に起因するところが大きく、火力発電所の材料である石炭や液化天然ガス(LNG)を海外輸入に頼っていることで購入費用が高騰し、それが電気代高騰に繋がっております。

割合としてはオーストラリアからの輸入が多いのですが、今までロシアから購入していた国がロシアからの購入が難しくなり、一気にオーストラリアの需要が高まることで製造が追いつかず価格が上がっております。需要に合わせて製造を拡大したい所ですが、環境問題の視点からそれが出来ず、限られた生産の中で世界へ共有せざるを得ない状況となっております。

次に、鋳造工場の製造設備維持管理費の高騰が挙げられます。鋳造設備は色々な設備で摩耗品が多く使われており、それらの部品代が原料やエネルギー価格高騰の波を受けて高騰しております。それらの整備を怠れば、設備の故障や高額な修理が必要となります。

また、多くの鋳物工場で製造設備の老朽化により、修繕の必要性が増えております。

故障やトラブル、現状維持を行うだけで手間とお金が掛かり、これらの費用がどんどん膨らんでいて原価に占める割合も高くなっております。この費用に関してはなかなかご理解頂きにくい部分となっておりますが、近年大きな負担となっております。

原材料価格や製造に関わる費用が高騰しているという事実がありつつも、何とか作業効率向上やコストアップを最小限に出来るように工夫を行っておりますが、企業努力をはるかに上回る過去にない価格の変動が起こっております。出来る限りの努力を行い、安定供給を実現させていきますので、ご理解ご協力の程よろしくお願い致します。

厳しい環境下ではありますが、鋳物製造現場では日々お客様へ鋳物製品を届ける為に誠意を持って取り組んでおります。もし工場見学をご希望であればご案内させて頂きますのでお声掛け頂けますと幸いです。引き続きよろしくお願い致します。

中井